さて、今は世界三大自転車ステージレースの3番目、ツールドスペイン(あるいはヴェルタアエスパーニャ)が絶賛開催中ですが、そのレース観戦(TV桟敷ね)の話です。
以前紹介しましたが、欧州レースの解説はこの方、クリス・ホーナーさんのYouTubeチャンネルを必ず見ることにしています。
この方を知らない人は別途詳細をウィキしてもらうとして、簡単に言うとこのヴェルタの総合優勝も経験しているアメリカンの元プロさんです。
戦略がチグハグなチームの選手やディレクターをKnuckle-head (ナックルヘッド) = アホ と言って容赦なくブッタ斬りながら、自分だったらこうする、とわかりやすく解説してくれる、見ていて清々しい解説。戦略の他、道路のコンディションやテクニカルな部分などもご自身の経験を元にしてなされる解説は、あー、トップレーサーはアタマも良くないとダメなのね、と妙に納得しちゃいます。
ビデオ自体は15分程度で、あくまでレース結果を要約しての解説ですので、レース自体を見逃した時のキャッチアップ兼レース解説動画として視聴するわけです。ただし全編英語ですからリスニング能力は問われます。あ、いや、YouTubeだから字幕版オンにすればリーディング能力で補うことも可能。
時間が合えば自分はレース中継は別途GCN等で視聴してるわけですが、そのGCNも英語版を見ることにしていて、その理由は豪華で解りやすい解説布陣で、現在はショーン・ケリーやロビー・マキュアンなどがくわしい実況解説している。
さて、日本ではJ-Sportsが3大ツールの放映権を持ってるとかで、レース中継自体はGCNではやらないようですが、レースのキャッチアップ動画はGCN Japanでも日本語でYoutubeに流していますね。
ただしコレが結構な棒読み、且つ滑舌悪い人がナレーターしている動画で、レースの内容や面白みがあまり伝わりません。(一生懸命やっている方達、ごめんなさい)
J-Sportsのレース中継の方も実は日本語解説は似たりよったりのクオリティーです(いえ30年くらい前の日本のレース放送に較べたら比較出来ないほど良くなりましたが)。
何が言いたいかというと、レースをよりよく理解して楽しむには海外番組の解説が良いのではないか、ということです。
まあ英語なのでそれなりにハードルはあるんですが、得られる情報量、知識、理解度がハンパないです。
『いやいや、何言っておるの? シュー・クリムラや土井チャン、マッサー中野らの解説はわかりやすいし、知識十分デショ? 』 と疑問に思われる方は大勢いらっしゃるでしょう、わかります。
『オメェ、英語理解できるからって調子コイタ事言ってんじゃネェ』、とお叱りになる方もおられるでしょう。 わかります。
でもね、それでもやっぱり欧州レース文化の真っ只中にいる人たちのやり取り、解説は情報量、質、レースの考え方などがもう全然違うんです。まあ、英語でなくてもフランス語でもフラマン語でもイタリア語でもいいんですけどね。
それに、GCN英語版なんかは相当の予算で運営されているらしく自転車メディアとしての品質、完成度がかなり高いと感じますな。
で、これはね、実は当たり前の事象でして、例えて言えばCNNのニュースはCNN−Japanで日本語翻訳された海外ニュースを視聴するより、CNNで直接視聴したほうがやはり全然良い、ということと似ています。まあFOXでもアルジャジーラでも、同じこと。 翻訳された2次情報を収集するよりも、できるなら現地の1次情報の方が良いに決まっております。
こういう事は前インターネット全盛期では可能ではなかった訳。例えば誰かが海外で録画してきたビデオを見るとか、輸入されてきたビデオを見るとかの方法しかなかった。昔は欧州ロードレース視聴に関してはWorld Cycling Productionのビデオテープを高額で購入して初めてPhil Liggett氏の名解説を視聴できたわけですな。
ところが今はインターネットを経由して全て直通で入ってくる。もう自宅のpcや自分のスマホですぐ現地情報を生に近い形で収集できちゃう。
欧州ロードレースの本場は欧州及び北米。
このレース観戦はその現場に近いメディアを利用するのが、当然良い。という話でした。
同様の体でいけば、海外にいる人たちが競輪を観戦するなら日本発のYoutubeなりのメディアを利用することが良いのではないか。 『は、日本語ハードル高すぎじゃあ』、と思うかもしれませんが、たとえば ”ばんて”、とか ”まくる” ”さす” などの単語をはじめとして、やはり日本語で視聴しないと競輪は理解しづらいし十分楽しめないのではないか、と思うわけです。
逆にKeirin視聴の場合は海外メディアがいい、なんてったってKeirinは海外スポーツですから。どうでしょう?